Cody vs 鈴木みのる戦で思ったこと≪ROH DEATH BEFORE DIS HONOR XV≫
鈴木みのる選手とCody選手とのROH王座戦がラスベガスの現地時間の22日に行われました。
49歳にもなってもなお海外のしかもトップ戦線に割り込めるのはさすがとしか言いようがありませんでした。
しかし試合をいざ見てみるとどうにも「かみ合わない」感じというか「迷走している」というか「チグハグ」というか、大して盛り上がらずに試合が終わってしまったという感想を持ってしまいました。
みのる選手が適応できていなかったと言ってしまえばそれまでですが、僕的にはみのる選手のスタイルと現代アメリカンプロレスのスタイルの違い(というよりROHの方針?)と意思の疎通が取れていなかったことによって起こってしまったことなのかなと感じました。
ということで今回どうしてこのようなことになってしまったかを僕なりにいろいろと考えた原因を3つにしぼってあげていきます。
※アメリカンプロレスに関してはWWEを基準にしているのでROHと異なっている部分があればご了承ください・・・・
反則に対する価値観の違い
プロレスという競技に反則はつきものです。というよりは反則こそプロレスの醍醐味であり王道であるといっても過言ではありません。
リック・フレアーしかり、昔の全日本プロレスしかり、試合と反則は常にセットになっているのです。
このようにプロレスには反則がつきものですが、日本とアメリカでは反則に対する許容範囲が大きく異なります。
日本では椅子などの凶器攻撃は基本的に反則ですが、5カウントが適応されます。
これによって凶器攻撃が攻めの幅を広げるツールの一つとなります。
一方のアメリカでは凶器攻撃は問答無用の一発反則。レフェリーに見つかった時点で試合が終了という風になります。裏を返せば凶器での攻撃は一撃必殺になり得るのです。
今回の試合では凶器攻撃がなかったり、レフェリーに手を出したりがなかったのはそういう事情があったためです(レフェリーに手を出すことも一発反則です。)
しかし、鉄柵など備え付けられているものにぶつけたりするのは反則ではないので、それすらもなかったことに関しては次の項目で説明します。
ROHの方針?
もう一つ気になったのはレフェリーがみのる選手の場外攻めを過剰に止めていた点です。
みのる選手のスタイルをざっくりいうと、ラフファイトや反則を巧みに織り込んだハードヒットスタイルです。
試合でもバチバチ相手を殴ったり蹴ったりします。
CodyはROHのヘビー級王者です。つまり団体の顔です。
そんなCodyがケガをしてしまうのを心配しての過剰なレフェリングとなってしまったのではないのかと思います。
そしてそれが試合の流れを止めてしまっていた大きな一因であると思います。
それも一つの原因としてみのる選手はジョバーみたいな負け方をしてしまったのだと感じました。
それと試合がチグハグになってしまっている決定的な点がもう一つあります。
TV用の試合だったから
試合の中盤から終盤にかけるとき、Codyは観客にYes!コールを呼びかけました。
来年の9月にダニエル・ブライアン選手がWWEとの契約が満了し、現役復帰するのではないかという噂がささやかれています。
Codyはブライアンに対して試合中なりTVなりツイッターなりでいろいろとアプローチをかけていることは、アメリカのプロレスファンの間では有名な話です。
しかし今回は完全にムーブメントを起こすことができずに、ちぐはぐな点が強調されてしまいました。
そしてそうこうしているうちにCodyが防衛して試合が終わってしまったというわけです。
Cody、みのる両選手とも派手なオリジナルギミックは持ち合わせておりませんがスタイルが対極であるので、それによるいい意味でのミスマッチでかみ合わないプロレスというものを期待していたのですが、ふたを開けてみれば両選手のいいところが大して出ることなく終わってしまいました。とても残念です
試合時間が13分弱しかないというのもなんともいえません。良くも悪くもTV用の試合という感じが否めません。PPVの内容じゃない。
新日本プロレスが試合内容や攻防の濃さで魅せるのに対してWWEは技一発、ムーブメント一つでシンプルに魅せます。どちらが良い悪いの問題でなく両方それぞれ違った良さがあります。
しかし今回の試合は特に試合内容や攻防が濃いわけでもなく、シンプルなムーブや技一つで魅せることが出来ているわけでもない中途半端な試合でした。残念です。
とはいえ、まだ終わりではない
とはいえPPVだけでなくROHのテレビ放送にもみのる選手が出演するのでそのトータルで見てどういう風な結果になるのかを観ないと結論が出せないのも事実です。
今回の試合はハウスショーと違いテレビショーなんです。点で判断するのではなく線で判断しなければいけません。
みのる選手の入場の際に「風になれ!」の大合唱がありました。
みのる選手は他の選手が持っていない色を持っていてアメリカのファンもそれを認知しているはず。
そして、アメリカで起こした風をそのまま勢いにして日本に帰ってきて暴れてくれることを楽しみにしてます。